自我について
自我について

自我について

自我の強いひと、と聞くとどんなひとを思い浮かべる?たぶん
わたしが、わたしが、といつも叫んでいるとか
他者の干渉を突っぱねることが多いだとか
表面的な硬さを感じさせるひとがそれなんじゃないかと思う
防御しているつもりなのね、彼らは。

だけどすごく寒い。

一日中嫌いなひとにしか出会えず
その生涯は軽蔑と裁きしか抱けない
愛して欲しいと誰よりも願うのに
差し出された手を反射的にはたいてしまう

彼らの寛解をどう待てば良いだろう
何をしても払い除けられるというのに

そんなときこそわたし達は彼らを愛することができる
愛ってなに?
それは燃え盛る炎ではもちろんなく
吹き荒れる風でも地をゆさぶるエネルギーでもない

わたし達はひとり残らず、必ず天の温もりを心の奥底に持って産まれて来ている
その小さな、けれど全世界を温める力のある灯火の片鱗を
あなたがただ黙ってそばにいることで感じさせられれば良い
何も語らず、聞かず、触れなくても良い
彼らはあなたの柔らかな言葉を耳にするだろうし
美しいこころの気配を味わうだろう

そして彼らが自我の壁を殻に、殻を膜に
そっとそっと取り戻して行くのもそのままにしておけば良い
いつか風が吹いて彼らは
ずっと変わらずそこにあり続けた小さな温もりに気づき
未来永劫失うことのない愛を取り戻すから。

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