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わたしは、あなたを温める灯火が何処にあるのかを知っています
そして何があなたを凍えさせているか、も。

闇が怖いのは何も見えないからです
あなたの手をとってお供するひとが
柔らかなひかりの灯火を手にしていたとしたら
きっと、少しは心が強くなるなるでしょう?

闇は消えません
何故ならそこがあなたの安らぐ場所となるからです

煌々と光が輝く部屋であなたは休めるでしょうか?
闇が怖いからと、そこへ踏み入れることを恐れて
明るく輝く光を求め続けるのは疲れます

おかあさんのおなかにいた頃を想像してください
わたし達はまだ目を使わずにいましたから光が必要ではありませんでした
その暗闇は恐ろしい場所でしたか?

わたし達が母の胎を出て二つの目を開いたのは
この世にあるたくさんのあれこれを通して暗闇の真実に気づくためです
この世にある良いものも、そうでないものも
それ自体にはなんの意味もないんです、本当は。

良いものをかき集めてそうでないものを排除したくなるのは
この世的な部分、つまりまだ
二つの目で見えることの範囲でだけ物事を捉えているからです
その考え方を越えなければわたし達は
生涯をその”選別”に費やしてしまうことになり
あなたは本当に大切なものまで辿り着けずに次の生を待たなくてはならなくなります

あなたが良いと判断したものを100集めたとて
いずれ来る”その日”には何ひとつ手にすることなく
何もかも置いて旅立たなければならないのです
裸に戻り手のひらの中に何も持たなくて
あなたはそれでも温もりを感じられるのでしょうか

わたし自身は、小さな者ですが
灯火が何処にあるのかを知っています
闇にいるからこそ
どんな僅かな光でも見つけることが出来ます

あなたがもし
優しい闇の中で少し休みたくなったのなら
声をかけてください
あなたの歩く速度に合わせてご案内致しましょう

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