でもさ、だけどさ。
これはひどいでしょ、と立ち尽くすわたしの目に写っているのは
かつて傘だったもの、若しくはかつて撥水布を纏っていたはずの金属。
「なにこれ?」←それが何なのかは聞いてない
「え、傘。」←え、そんなこともわかんないの?的な
え、傘。って。いや、これは絶対に違うね、傘じゃない。
そう、それはもう傘ではなくなったナニカ。
ちょっと前に、傘がない傘がないと言う子が頻発して(それも謎だけどさ)
え、今日も?ええ、また今日も?と買い足した傘は5〜6本
黒い傘が良いからと言われてわざわざ買いに出かけたそれらは
誰かが持って行ったきり忘れてきちゃったのか乱暴に扱ったのか
次々に姿を消すか骨組みの金属がちょっと曲がっていて
「こんなの恥ずかしくて持っていけない!」とか「傘がない」とか
確かにそれはみんなのストレスの元ではありました
でもさだけどさ。(2回目)
あんまりじゃないこれ??
目の前のそれはすっかりお洋服を脱がされた可哀想な痩せっぽちみたいになっちゃって
かつ、あちこちがぐにゃりと曲がっていて
例えるならガリガリのタコみたいになって放置されていました
ちょっと…
ほんの数日前まで売り場でみんなと仲良く並んでいたこの子
どうしてこんな姿になっちゃってんのよ…
ママの怒鳴り声が近所に響き渡ります
なんでこんなふうにしちゃったの!!!
すると末子さんはやおらわたしの手を取って「こっち!」
へへへへ…と悪びれる様子もなく案内してくれた机の上に
お行儀よくたたまれていたのは傘の亡霊…じゃなくて布だけになった元傘さん。
「あちこち折れてたからさ、脱がせたら何かに使えるかと思って〜」
せっせと留めていた糸を外して丸裸にしたんですって。
はぁ…。
なにそのうきうき笑顔。
「あっそう。」
わたしの子育ては「五感を使ってやりたいことをやり尽くす」が信条
裁縫箱を持ち出して糸切り鋏をぱちんぱちんと使って
何ヶ所もある留め糸を外して…はぁ。
なんというか。
買ったばかりなのに、とか
大切に使ってよ、とか
何本買ったと思ってんの、とか
そういうのがぐるぐるぐるぐる…
「あっそう。」
ほんと、それしか言えない。
子ども達の発想とか自由さには驚かされます
はぁ。