「下着を買いに行くからお金ちょーだい」
高1三女と中3四女がふたりして雁首揃えてピーチクパーチク言う。
この前買ってもらったの何年前なん!と文句たらたら
チッ…気づいてもうたか…
「塀の色塗りをしたからお駄賃ちょーだい」
高3五男が古着を買いたいからとおねだりしてくる。
先回りしてお手伝いをしてくる辺り頭脳派だけど
チッ…またか…
「ママ、お菓子作りたいからココアパウダー買ってきて」
パティシエになりたいという中1六男が
この前作ったチョコムースの評判が良かったから再チャレンジ!とおねだりをする
チッ…それ、際限無いヤツじゃないか…
「100円持ってるから100均連れてって!」
可愛いヘアゴムを買うから、と小5五女と小3六女が言う
今日日100円じゃあお買い物も出来やしないんだぜぇ、お嬢さん方…
あれこれ応えながらぼんやり考える
おかしい…変だぞ…
おかあたん完全にただの使いっ走りじゃまいか。そして
使いっ走りさせられてるのに何故か心の何処かがうきうきしている…
何故だ…おかしいんじゃないか
喜ぶから、とついでに買ってしまった小さなおヤツ
わたしの分無いやんけ、おかしいやろそれ…
あ、いや、でも太りたくないからまあそれは良いか。←
まあでもアレだな。
ギャーギャー言われてるうちが華なんだろな、うん。
12人産んだけど上の6人はしっかり巣立って気配のひとつもしやしない、静かなもんよ。
いずれみんながそうなるなら今だけのお楽しみじゃないかこれだってね、きっとね。
あと10年だなあ
「うるっせえなあ、ガキどもめ!」と言えるのも(笑)
この前熱を出した子を病院に連れて行ったとき
待合室の片隅で、ぐずぐず泣いている子を毛布でくるんでよしよし揺らしているおかあさんがいたの
わたしはと言えばお熱出してるとはいえ子どもはもう自分で歩いたり立ったりしている。
あんなふうによしよし、ってユラユラしてあげていたこともあったなぁ…とぼんやり考えながら
「おかあさん、そんな時期も終わりは必ず来るからね」と
心配げに子どもの顔を覗き込むそのおかあさんの横顔に心で話しかけてみた。
そういえばずっと昔
赤ちゃんをおんぶして上の子をベビーカーに乗せて
チビ達を引き連れてお買い物をしているわたしに
知らないおばあちゃんが笑顔で手を振ってくれたことがあったっけ。
こんな気持ちだったんだろうな
懐かしいな、楽しみなさいよってことだったんだろうな。
うん、あと10年子どもまみれ楽しもう
「うるっせえ!」とか毎日怒鳴ってるけどそれもいっか。
ね。
幸せだわほんと。
誰かのためになれていること、それだって立派に
自分を幸せにすることのひとつだ、ってことなんだね