お天気が良いから、とふかふかお布団を庭に出して
燦々と注ぐ陽の光をぐんぐん吸い込ませていたら
もらもらと纏わりつく白猫の毛が気になり始め…
両手にグローブをはめて、いざ。
結果として30分以上それと格闘し
子ねずみ1匹くらい軽々産まれるんじゃなかろうか?ってな具合の
“かつてにゃんにしがみついていたそれ”=単なる抜け毛の塊を見つめ
「やったった…」と仁王立ちで悦に入っていたそのとき思った。
よく、時間を金に例えるやつ。
あなたの口座に振り込まれた金をどう使う?的な。
明日振り込まれるか保証がない、という大前提が抜け落ちているその例え()は
いかにそれを価値あるものとして扱うか、みたいな話だったと思うけど
まず、あなたにとって”最も価値あること”が毎分毎秒何なのか
…んなこと思考しても無駄だと言いたい。
そんなことに思い巡らせているその時間こそが価値無き時間。
元本の減らない利息をダダ払いしているようなものだわ
考えるな、感じろ!
この場合わたしはにゃんの抜け毛がクソ不快だったわけで
それを取り除くために30分を費やした、そのことを無駄だったなんて思わない。
そのお布団に目を瞑ってかふぇ()に出かけることだって出来たし
図書館に行って本まみれになることだって可能だった。
でも、にゃんの抜け毛と格闘したのさ。
大切なことは目に見えない。
他者の目に留まる何かをかき集めることに価値などない
陽当たりの良い南向きの庭の真ん中で
ヘンテコグローブを手にはめて人目も憚らずに抜け毛と格闘することでその後得た達成感と居心地の良さと自分を褒めたい気持ち
それが何より価値のあるものであり
おまけ的に”すっかりキレイになったお布団”が手に入った。
かふぇに行くことが悪いわけじゃ
図書館に入り浸ることがくだらないわけじゃあ決してない
それをすることでわたしが何を手に入れたのか
そしてそのためにどのくらいの時間という宝をペイしたのか
そんだけのこっちゃ。
相変わらず考え事し放題の昼下がりにわたしはまた心から感謝する
何もかもがなんつーありがたさやねん!
…というわけでそのお布団に潜り込んでみたりしちゃおっかなとかなんとかその誘惑に抗えずにいる自分もまた良し(笑)