わたしは在る
けれど、無い。
そういうモノでありたいとずっと思っていました
目の前に現れるひと達はみな、泣いていたんです
怒っているように見えていることが多かったけれど…
じっと耳を傾けてみると聴こえて来るのは
小さな小さなすすり泣きのような声
それをそっと両の手で
もうこれ以上壊してしまわないように、と
静かに、静かに掬い上げて
これが、痛かったのですねと問えば
いいえそうではないと応えるひともあり
堰を切ったように大きな泣き声をあげるひともあり。
けれど涙がすっかり流れ出て
ぐい、とそれを拭う頃にはちょっぴりすっきりと上を向いて
真っ赤になったお鼻も誇らしげにぴかぴかとして
「あーこれでまた明日からやって行ける」
そんなひと言が聞けるのが嬉しくて続けて来ました
ずっとずっと、ひっそり静かに続けて行けば良いと思っていたんです
2024年12月21日冬至、その前夜
これまで見聞したことを書き留めなければと思いました
公教育の現場で何が起きているのかを伝えたい、と思いました
その年ふたつの小さな命が消えたことは
わたしにとって少なくない衝撃をもたらしました
あの時教室にいたあの子がもういないこと
市外転出者としてアカウントが処理されること、そして
机の上にいつもあっただろう端末も初期化されて
次の巡りの中に巻き取られて行ってしまうこと…
もうこれ以上子ども達が壊れて行くのを看過できない
そんな思いでした
数日後のクリスマスの夜
もがきもがき叫びながら生きたあの子が天に帰ったという報せがありました
なぜ、なぜこうも立て続けにわたしのまわりの命は消えたのだろう
彼らは何をわたしに手渡してくれようとしたの?
投げかけてくれた問いに応えたくて本を書きました
これを持って全国へ出かけて行きたいのです
同じ問いを抱えて生きる子ども達に
絶望するにはまだ早い、と伝えたいのです
そのためにはおかあさん
おかあさんの痛みに向き合わなければなりません
わたしの他に誰か
わたしの代わりが出来るひとがいますか
いいえ、誰も。
新しい局面がやって来た
そうでしょう?
ええ、きっとそうです。
あなたの町にもきっと、大切なものをお届けに参ります

