わたしのお父さん
久しぶりに予定のない休日
少し前から子ども達にパンを焼いて欲しいと言われていたのでやる気まんまん。
朝、アラームを止めてしばらくアタマの中が「???」になったけれど
あ、そっかお休みだ…
じゃあ二度寝しちゃえー!とお布団に潜り込む(幸せ)
9:23
うむ。これ以上はアカンwww
のそのそと起き出して強力粉とオリーブオイルと…ドライイース…ん?
んんん?
ええ?
あー…
無い。
バターが無い
普段使いのやっすいマーガリンも無いぢゃないか。
これじゃあパン焼けないよぉーん
ここで甘い甘い誘惑
作りたかった資料、作っちゃう?
それとも確定申告の準備しちゃう??
ネイルもいいやん?
…あれもやれる、これもできるとムズムズ蠢く。
わたしは過集中だからそれにのめり込むと他のことが等閑になってしまう。
資料作りだって動画編集だって、一日中のめり込むなんてのは朝飯前
しかーし自分のやりたいこと「だけ」をするにはまだまだ早い…子ども達との約束を守りたい。
というわけでお化粧をして髪の毛を一括りにまとめてお着替え完了、お買い物へ。
結局牛乳やらチーズ、いつでも食べられるシリアルやなんかも山ほど買い込んで
ここのところ良く働いてくれているわたしのロッキーちゃんを洗車しちゃおっかなぁ、なんて思っていたら…
「お父さんが救急搬送されたから時間あるなら病院に来てくれない?」
母からの一報、なんというタイミングの良さよ。
前に父が倒れた時だってたまたま一緒だったし…とにかく
「いま外出してるからすぐ行くよ」と応えて電話を切る
頭痛が酷くて嘔吐した、という。
容態はどうなんだろ、即入院?寝たきり?介護??
いつでも”サイアク”を想定するクセは本日も健在
病院はしばらく見ないうちに建て替えられていて、そのせいで少し迷った。
正面玄関が開いているワケがないけれど初めての建物のせいで休日の入り口がわからない
「本日の受付は終了しました」の札に悪態をついてみる。
わかってますよ…っての。
「休日、夜間、救急の場合はER入口のインターフォンからお声がけ下さい」って。
だからさ、そのERの場所がわからないってのにさ…
まあでもまさか建物の裏ではあるまい。
道路に面した方からトライ!
あ、あった。
あっけなく見つけたER入口
なんとその先で父と母が揃って手を振っているではありませぬか。
なんじゃい、元気なんかえ。
あんだけ焦らせといてなんじゃそりゃ、と
少々面食らったまま入口を入る。受付スルー、大丈夫かしら?いろいろ←
で、父を見て驚いた。
なんてこった。
いつの間にこんなに痩せた?
「ごめんね、心配かけたね」
いや、お父さん、声。
声出てないやん!
180cmを越える長身の父
体重どんくらいあんの?と聞くと70kg無い、という。
肩もすっかり薄くなって…何より命の気配が薄らいでる
そうこうしているうちにCTの結果が伝えられる
脳に出血は見られず、問題はない…
耳鳴りが酷いようなので耳鼻科を受診せよ、と
そんな話の中父がやおら「気分が悪い」と言い出した
看護師さんが袋を手渡してくれるなり激しい嘔吐を繰り返す
ほとんどが胃液じゃないか…こんだけ溜まってたらそりゃ気持ち悪いわ…
差し出された膿盆から溢れ出す吐瀉物、次々に込み上げる。
可哀想に、お父さん。
背中に手を当てて嘔吐を促す
出したいものは出してしまわなければいつまでもぶり返すから。
安心したように、嘔吐を繰り返すお父さん。
そう、頑張って吐いてしまいなー
合間に「ごめんねー」と言う
なにがごめんね、なのさ。
義母にも、何度も何度も何度も繰り返し伝えた
親は子どもを育てる。
おむつも取り替えるし汚れたものを片付ける。
そのご恩を、返しているだけのことなんだ
あなたが手渡してくれた愛をただ返してるだけ
父とわたしの確執ってのはずーっと長く深く…
父がわたしを愛してくれていることをずっと受け取れなかった
「お父さん、もうすぐ死んじゃうかもしれないね」
そう言うと父は
「その原因の一端を担っていやしないか、と胸が痛まない?」と軽口をたたき
いたずらっ子のような光を湛えた視線を投げて来る
「いいえ、ぜんぜん?」と応えるとアハハ、と笑う
お父さん、わたしはお父さんがわたしを大切に思ってくれていることをずっと理解出来なかったんだけどもね…
父のすっかり痩せ細った腕を取って続ける
今、やっとわかるようになったから、ね。
お父さんのことをわたしも大切に思っているよ。
後はやりたいことやって、食べたいもの食べて幸せに暮らしなさいよ。
母は、父が甘いものばかり食べたがるから困っちゃう、と言う。
何が困るの?
白砂糖の害が、なんて言い出すんじゃないよ今さら。
精製された白砂糖がお父さんの身体に悪影響を与える前に
「おはぎが食べたかった」なんつって死んじゃったらお母さん、あなた一生悔やむわよ?
わたしの大切なひとも今、自分の身体を労わるってことと向き合っている
自分でコトコト…お野菜を煮たり、素敵なお肉屋さんを見つけたから、とハンバーグを手ごねする。
それがとても愛しい。
ひとは何歳からでも自分らしく生き始められるのだ。
たといそれが終末医療下で明日が無いと宣言された後であっても同じ。
遅すぎる、なんてことはない It’s never too late.
お父さん、だいぶ遅くなっちゃったけど
お父さんの娘に産まれて幸せだよ
お父さんがわたしをとても愛してくれているのが今、わかるようになったよ
お待たせ、待っていてくれてありがとう
ずっと、可愛くない娘でごめんね
お父さんが間違えたこと、それによって傷つけられたと思っていたこと
むしろ、それを理由にお父さんを傷つけたこと、ごめんね
赦して欲しい。
わたしの、世界にひとりのお父さん
お父さんのことが
昔からずっと、大好きだったよ


今日、そんなことがあったとはビックリした。
お父さん、嘔吐は辛いですよね…。
わたしもつい最近経験したのでよくわかります。
どうぞお大事になさってください。
>しのぶさん
しのぶさんもトトの日にトトと繋がって
わたしもやーっとお父さんと繋がって
嬉しいね、ありがたいね
起き上がれないほどの吐き気だったよね
回復して、本当に良かった!